スマートフォンの普及等により、FXや株式投資が簡単に行われるようになりました。FXや株式投資は成功すれば大きな利益を受けることができる一方で失敗すると大きな借金を抱えてしまうこともあります。そして、このような借金であっても返済困難となってしまった場合には債務整理を行うことが可能な場合があります。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。
まず任意整理とは、裁判所を介さず、直接債権者に借金の減額を交渉する債務整理です。任意整理は他人に知られる心配が少なく、財産を手放す必要はない点にメリットがありますが、あくまで債権者との直接交渉であるため、減額が小さい点がデメリットとなります。FX等の投資債務は任意整理をすることができます。
二つ目の個人再生は裁判所によって債務を減額してもらう債務整理です。個人再生は一定の財産を手放さずに済むこと、裁判所の介入により任意整理に比べて債務の減額が大きいことがメリットとして挙げられます。しかし、安定した収入を得られること等の条件が与えられていることにデメリットがあります。
個人再生は自己破産の場合と異なり、免責不許可事由がありません。ですから違法行為などを行った場合等、例外的な場合をのぞき原則として個人再生をすることができます。
最後に自己破産の場合です。自己破産とは裁判所に申し立てて財産を清算し、借金を免除してもらう債務整理です。自己破産は借金を免除してもらうことができるというメリットがある一方で、財産を失う可能性が高い点にデメリットがあります。
また、自己破産には一定の場合に借金を免除するという免責を行うことができないという免責不許可事由が存在し、これに該当する場合には自己破産をすることができません。そしてFX取引や株取引は破産法252条第1項4号の免責不許可事由に該当します。そのため、自己破産は債務整理の手段として取ることができないようにも思えます。しかし、裁量免責によって自己破産をすることができる場合があります。
裁量免責とは、裁判所が具体的な事情を考慮して借金をなくすことが妥当と判断した場合には裁判所の裁量で免責させることができるという制度です。そのため、手続きに真摯に協力し、反省の色を示すことでFXや株取引での債務についても裁判所の裁量免責を得ることができる場合があります。自己破産も一定の場合には債務整理の手段として可能です。
しかし、自己破産をする場合は、裁量免責をするべきか判断するため破産管財人が選任される管財事件になります。管財事件は弁護士費用や管財人への予納に一定の金額を要することが多いため注意が必要です。
債務整理には上記の方法がありますが、どの方法を選択するかは個人の借金や財産状況によって異なりますので、債務整理に詳しい弁護士等の専門家に相談することをお勧めします。
札幌アメジスト法律事務所は債務整理について多くの実績とノウハウを有しています。個人再生にお困りの方は一度当事務所までご相談ください。
FXや株式投資でできた借金は債務整理できるか
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